●片見政行(?〜?)  [from:武将風雲録]

 記念すべき10人目のマイナー武将は掲示板にてリクエストのあった片見政行である。本来なら告知通り明智光忠になる予定だったのが、光忠研究にどうしても欠かせない文献が図書館で貸し出されており、しかも返却期限を1週間以上過ぎても返ってこないので急遽こちらへと変更になってしまったのである。
 さて、片見政行は下総結城家の家臣である。鎌倉期より続く名家の結城家ではあったが、戦国時代には他の家柄だけは立派な大名と同様凋落の道を歩んでいた。その中にあって片見政行は結城政勝の重臣として、弘治2(1556)年に制定された「結城氏新法度」に法度遵守の署名をしている。

 以上、片見政行の一生、終わり。

 いやちょっと待って石を投げるのは! 本当にこれしか史料が無いのだ。政行本人の事績はこれ以上調べても何にも出てこなかったのである。
 まあさすがにこれだけではあれなので、片見氏の出自を調べてみると、奥州白河結城家結城宗広の弟に片見祐義なる人物がいる。結城宗広は南北朝の騒乱期に南朝方北畠軍の有力武将として活躍したのでご存知の方も多いかと思うが、その弟彦三郎が本領白河荘内の形見郷に居住したのが片見氏の始まりである。下総結城家の片見氏も、この片見祐義の子孫なのだろう。たぶん<裏づけする史料はまったくなし。
 他には「片見伊豆守」なる人物が結城家には仕えているが、こちらも詳細は不明で、政行との関連もわかってはいない。とかく結城家にはこういったほとんど史料の残されていない家臣が大勢おり、ゲーム制作時にも困っていたようで、『覇王伝事典』の結城家家臣団の解説を見ると、

 「結城家臣の重臣。能力的にはどうでもいい存在である」(武井勝伝)
 「結城氏配下の重臣。能力は平凡で取り柄がない」(岩上朝堅)
 「結城氏配下の重臣。結城配下の武将は、「重臣だった」という記録しかない奴がやけに多い」(玉岡政広)

 といずれも非道い書かれ方ばかりなのである。そして片見政行は武将風雲録でしか登場を許されず、リメイク版であるはずのアドバンス版では登録抹消されてしまったのである。合掌。

シナリオ所属国身分政治戦闘教養魅力野望忠誠
片見政行1;戦国の動乱下総結城家家臣435642514580


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